つぶやきカルテ2010(12月 2日)
前回から少しまったりした感じからのスタートにしたいなと思っていました。
わーっと駆けだす元気な姿もいいけれど、ちょっと落ち着いて自分の“うんどう”と向きあえるように気持ちを準備していくことも大事かなと思っています。
1.どんなことをしていましたか(子)
鉄棒をしたり
こんなふうにジャンプをしたり
くぐるようにつくったデバイスで、こんなことをしたり、コースを中心に運動をしていました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
そんな合間にまきこさんが、鉄棒とジャンプのデバイスの間にこんなデバイスをつくってくれました。
カラーマットを折りたたんで段々に重ねてあります(工夫)。
どうなるのかなと思っていたら、子どもたちが気持ちよさそうにジャンプ・ジャンプと跳ねてくれました。
思いが伝わったって感じですかね。
それから今回デバイスづくりには、柳川郁生も少し早めに関わっていきました。いっしょに相談をしながら、思いを伝えあいながらつくるといった感じでしょうか。
なので私自身ももっともっとお母さんたちの思いを聞きだせるよう、近づいていきます。
そして私のつくったデバイスの思いも理解してもらおうと思います。
それと今回‘あれ?なんかお遊びアイテムが……?’と思っていたら、いづみさんだったんですネ。
前々から私も考えていたのですが、なんかあからさまにできなくていたことです。
……でも実はもうすでに私もバドミントンのラケットやフリスビーをこっそりと……(笑)
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
だいち組の子どもたちは、少しずつ自分のうんどうのすがたや、感覚がみえてきたのではないでしょうか。
できた時の感じ、できそうな感じ、そういった“コツ”や“カン”のようなものが運動には重要になってきます。
“コツ”や“カン”といったものが自分の中で生まれたときに、それを感じとれないと運動を獲得したことにはなりません。
そうでないと、ただ単にわけも分からず機械的に運動を反復したり、鋳型化されたロボットのような動きになっていたりすることになるかもしれません。
だから、しのちゃんの「うまくできな〜い」というつぶやきは、“なにかが分かったから言える言葉なのでは?”というかずよさんの発見の通りなのです。
なんかうまくいかないからやめてしまう。それはただ単に子どものわがままに感じるかもしれませんが、うまくいかないことの認識が始まったということですよね。
運動学では、そのまず最初に感じた違和感というものも運動を一歩先に進めるために利用します。
「どこがおかしいんだろう」「なにがへんなんだろう」「どうすればおもしろくなるんだろう」「どんなふうにするといいかんじになるんだろう」と探りをいれる“探索位相“の始めにするのです。
ぜひ子どもたちといっしょに考えて(=動いて)みてください。
するとまきこさんが逆上がりでフワッとなった瞬間に思わず声をあげてしまったのですが、子どもたちがそんな感覚に出会ったときに、くみこさんのいう“得意げな満面の笑みを見せるときがあるので、そのしゅんかんを見のがさないようにしたい”ということもできると思います。
この探索位相という段階まで子どもたちの意識が発展すると、ちょっと空気感の違う運動の場ができ上がるのですが。
まずは“原志向位相”、そして“偶発位相”とあせらずにいきましょう!
といってもただ単に待っているだけではダメですョ。
どうすればこの“探索”の意識が生まれてくるのかみんなで工夫をしながら子どもたちを誘いましょう♡
そんなこともあり、そろそろ自分の運動を感覚的なイメージでとらえられるようにするきっかけとして鏡を置いてみたりしました。
実際に鏡に映った自分の姿を見ることはできませんが、なんとなく鏡を置くことで自分の姿や運動をイメージするきっかけにできるのではと考えたのです。
なんとな〜く見えない自分が見えるようになる。
それが運動感覚との出会いかもしれません。
そんな感じで『側転』を材料にしています。
側転をできるようにするためではなく、運動を感じられるように側転という運動を利用しています。
そう考えれば、「逆上がり」をしたって、「開脚跳び」をしたって、「野球」や「サッカー」をしたっていいのです。
ぜひぜひお母さんたちも一緒に考え、発見しましょう。
〜それからそれから〜
〜さらにさらに〜
今回のオフィスアワーの中で、なおくんがいつにもまして“うんどう”と向きあっているような感じがありました。
そこでバク転に誘ってみると、細ーい身体にある瞬間ス〜ッと力の線が生まれたのを感じました。なんとなく本人も感じたはずです。本当に本当に簡単に折れてしまいそうな線ですが、なんとなく二人の間で感じられた嬉しい感覚でした。
これがたまらないんですネ♡
4.次回のオフィスアワーに向けて
あづさちゃんから‘ジグザグ走る’‘ボールを使ってリレー’なんて希望もありました。
柳川郁生も、お母さんたちの思いを引き出せるように入っていきますので、遠慮せずに伝えてください。
背中から跳べる子どもたちの感覚もなにかに……
〜そしてそして〜
しつこく長くなってしまいましたが、今日かおり(る?)さんに言われました。
「書けない……」
うん、それでいいと思います。
以前もこの“つぶやきカルテ”で書きましたが、たくさん書こうと思うと‘ウソ’を書いたりします。学生たちにバドミントンのハイクリアーという打ち方を見せて、観察記録を書いてもらっているのですが、「え〜と〜」とか「う〜ん」なんて考えはじめたら、ウソをつきだすゾなんて言ってます。
見えていたことだけを正直に書けばいいんです。見えていなければ書かなくていいし、少しずつ少しずつ運動ができるようになるのといっしょで書けるようになってきます。
そしてそれは慣れるのではなく、理解できるようになってくるからです。
だから書けなくても書き続けてください。
そうすると見えてきます。
理解できてきます。
理解できてくるともっと見えてきます。
もっと見えてくると書かずにはいられなくなります。
そして子どもの“うんどう”が変化すると、お母さんの意識も変化するはずですから、そこまでいくと書かずにはいられなくなるはずです(笑)
そんな状態に今すぐではなく、ずっとずっと先になれればいいのですから、正直に書き続けてください。
よろしくお願いします。