先週に引き続き、“うんどう”のデバイスを考えていきます。
そんななか『支える』チームの3人が「支える感覚を使って子どもたちが跳び箱を跳べるようになったらいいな」と考えていました。
子どもたちの目線を探りながら、楽しんでもらえそうなデバイスを考えていきます。
コーンの並べ方にいろいろと工夫を施していきます。
そして「実は……3人とも跳び箱が跳べないんです。」とカミングアウト。
これはチャ〜ンス☆
ということで、まずは跳べないという感覚から、跳べるようになる感覚を体験してみようということにしました。
そしてこんなふうに段階的に、じっくり時間をかけて練習(つまり動感志向体験)をしていくと
跳べちゃいました♥
オメデトー!
このことは
“子どもが取り組んでいる運動に感覚的なつながりをもつことができる住み込み能力”や、
“こんな感じでやればきっとできるのになということがわかる代行達成能力”といった
代行能力を知る機会にもなります。
できなかったことができるようになったという貴重なプロセスを志向的に体験し、これからその運動をする子どもたちと感覚のチャンネルを合わせられるような準備をしておくことはとても重要です。
これはいいぞーっ、なんて思っていたら……
できてしまった嬉しさと、心地よさに、
「できなかった時の感覚を忘れちゃった〜(@_@)」
だって(アハハ)
そして最後はそれぞれのデバイスについて説明と
試行を展開し
学生同士で活発に意見を出し合いながら、あっという間に授業の終わりとなってしまいました。
しっかりと自分の考えを伝え、人の意見をとり込むことができるみんなはすごいです。
なので今日はちょっと欲張って、深い話もしてしまいました。
つぶやきカルテ2011(5月26日)
またまた遅れ気味のつぶやきです。
とにかくこども芸大に『まなざしカルテ』をとりにいくすきもないような忙しなさです。
でもオフィスアワーは柳川郁生にとって安らぎの場でもあります。
やっぱり優しい気持ちでつぶやかないわけにはいかない。
1.どんなことをしていましたか(子)
今回はいろいろと見せ方を変えて伝えたいことがあるので、さらっと紹介です。
「支える」感覚の導入です。
「支える」感覚とさかさまや後方などへの‘体位’の感覚です。
「支える」感覚から切り返しを感じてほしいのですが、最近この‘柳川式’のとび箱が浮いた感じになってます。
もっと別なタイミングやきっかけづくりに登場させた方がいいかもしれません。
子どもたちには、まだ意図が伝わっていませんね。
「走る」感覚です。
スピードにのったいい走りが展開されていました。
「跳ぶ」感覚です。
フワッと「跳ぶ」感覚です。
こんな鉄棒での運動や
こんな鉄棒での運動も登場しました。
そして昨年度からコツコツと取り組んでいるとび箱でも、いろんなドラマがありました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
お母さんたちのまなざしが2年の月日を経て、だいぶマニアックになってきました。
もう幼児運動の専門家の域に達しているのではないでしょうかと思わせます。
このカラーコーンの並べ方。
子どもの視線で考え、ジグザグに走って欲しいからと言ってクネクネと並べるのではなく直線的にしてあり、子どもたちのなめらかな走りを引き出そうとしています。
そして走ってくる子どもたちの運動のようすを観察し、いろいろと調整をしています。
単なる規制による走り方の矯正ではなく、子どもたちの走りのバリエーションを引き出すような取り組みはさすがですネ。
だからほら!
ななめにきりこむようなカッコいい走りが生まれてきました。
それとお母さんたちの悩みに登場してきたのが、‘だいち組・友だち症候群’とでも言うのでしょうか、毎年ながら体育館で遊びだす子どもたちの様子です。
今までは個人と個人がいっしょにいるだけだった集団が、集団としての一体感をもって成立するような関係が生まれてくるのがだいち組の成長の過程です。
これを経て、だいち組としてこども芸大を卒業していくことになにかちょっと大人に近づいていく頼もしさを感じたりしています。
その最初の段階が友だちどうして遊びだすこの時期の特徴だと思っています。
なので、この時期の男の子たちに戦い(こっちの方が面白いぞ〜という誘い)を挑むのも楽しいかもしれませんし、しばらく様子を見るのもいいかもしれません。
でも、思わずやりたくなってしまうデバイスやコースを創れたらこっちの勝ち(笑)かもしれませんネ。
でも「ワーッ」と跳び箱で盛り上がりがあった時、離れたところで遊んでいながらちらっとその様子を気にする男の子たちの視線に気がつくお母さんたちもイイ感じです。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
『支える』感覚。
これにも『支える』感覚。
これも『支える』感覚。
そしてこれも『支える』感覚。
そしてこんなふうに『支えられる』ようになって
もっともっと『支えられる』ようになって
跳び箱の開脚跳びができちゃったりするんですネ。
跳び箱は、走るスピードと蹴ることだけが大切なのではなく、からだを支えて手首でジャンプしたり、フワッと浮かせたおしりを切り返す感覚など、いろんな感覚をからだが知っていること、つまり“身体知”が大事なんですネ。
そしてこのオフィスアワーは運動のテクニックを身につけさせるのではなく、自分の運動感覚の変化や発見に気づける“身体知”を子どもたちに、そしてそれを見守るお母さんたちに身につけてほしいと思っているのです。
それからほかにもこんなふうに
鉄棒と戯れています。
そんな遊びの中からのまぐれや偶然が
運動の習得の第一歩です。
運動の完成なんてまだまだ先でいいんです。
特にほし組のお母さん、こんな柔軟な感覚をもっている時期に、型にはめ込むような運動をさせてしまってはいけないのかもしれません。
2年後も、3年後も鉄棒が好きでいられるような、もっともっと鉄棒が楽しいと思ってくれるような見方でもいいんじゃないでしょうか。
でも実は、「できたーっ!」て瞬間や、「分かったぞ!」というからだの了解の感覚が一番楽しかったりもするので、ずーっと先の将来にそんなことも意識しておけばよいのではないでしょうか。
それから問題です。
この3人に共通するいいところはどこでしょう?
……簡単ですネ♡
まきこさんの願うフワッとした感じが生まれてきているんじゃないでしょうか。
そしてきりがないので最後にしますが
このほし組のお母さんと子どものような手をつなぐ関係、これがこの時間の親子の運動感覚をつなぐ原点です。
だいち組のお母さんたちがつくってくれたコースが難しかったり、うまく入り込めなかったりしたら、手をつないでいっしょにやってみてください。
子どもの手を引っ張るのではなく、お互いの感覚を調和させていくような気持で運動をしていると、きっとグイッと子どもから引っ張られるような頼もしい感覚が伝わってきたり、「もう大丈夫だよ」という自分の手から離れていく子どもの運動感覚が理解できたりするようになってきます。
ぜひぜひ試してみてください!
4.次回のオフィスアワーに向けて
思わずまた長ブログになってしまいました。
次回は新しい仲間たち(ほし組)のことも考えつつ、優しいデバイスと楽しいデバイスがいい感じにつくれたらいいですネ。
もっともっとほし組のお母さんたちとも時間の中でお話をしたいと思います。遠慮せずにどうぞ。
ふーっ、やっとつぶやき終わりました。
5月24日の『芸術と子ども』の授業です。
前回の授業で基本的な運動感覚を体験し、その感覚をもとに子どもたちに提供する「うんどう」のデバイスを考案していきます。
初めての取り組みにもかかわらず、積極的にイメージを出し合う学生たちです。
「支える」ってどんな感じなんだろう?
こんなふうに「回る」とどんな感じなんだろう?
こうやって「走る」とこんな感じかな?
ここから「跳ぶ」とこんな感じかも?
と、いろいろとイメージを具体的な運動の感覚につなげていきます。
そして実際に組み立てながら考え
さらに体験しながら考えていきます。
この運動の感覚を実際に自分で体験しながら考えることが大事です。
初めてつくるお料理を味見もしないで出すのはキケンですから。
ということでこの味見は、「うんどうチーム」のみんなで行います。
ただ今回、この味見を今までと違うやり方にしてみました。
今までは、つくった人にどんなお料理(運動の楽しみ方)か説明をしてもらってからみんなで味見していたのですが、今回は何の説明もなしにまずは見て思った通りに運動してもらいました。
すると面白いことに、実際に体験してみて感じたことを発表してもらうと、なんだか子どもたちの目線にちかいような意見がたくさんでてきました。
よく分からずにとばしてしまう部分があったり、創作者の意思とは違う方法で実施したり、意図とは違うところに楽しさを見つけたり……
「わりと直感的に物事をとらえて、人の説明なんてよく聞かずに、面白そうだぞ!と思ったらワーッととびついていく」そんな子どもらしい反応が感じられました。
これは新発見です!!
そんな積極的な姿勢で子どもたちに提供する運動を考えてくれる学生たちです。
「回る」感覚担当です。
「跳ぶ」感覚担当です。
「支える」感覚担当です。
「走る」感覚担当です。
みんなの思いが子どもたちに伝わるといいですネ♡
バク転☆倶楽部 開始!
ということで、
「バク転ができるようになりたい!」という人を中心に、
特別講座を始めます。
といっても特別な授業ではなく、
なんとなくみんなで集まってやってみようという気軽なスタイルです。
希望者は、性別、年齢、運動能力問わずだれでもOKです。
ぜひチャレンジしてみたい人はどうぞ!!
開講日:毎週月曜日(ちなみに5月30日スタートです)
時 間:17:00〜(30分程度)
場 所:体育館アリーナ
指 導:柳川郁生
バク転だけでなく、ほかの技を目指してもかまいません。
ぜひ仲間になってチャレンジしてみてください。
かつてこの取り組みでバク転ができるようになった女子もいますヨ♡
つぶやきカルテ2011(5月19日)
なんだか‘つぶやき’も気が重くなってきました。
それはお母さんたちのまなざしがかなり深くなってきたので、『まなざしカルテ』を読むだけでも大変になってきました。
嬉しいことですネ♡
ということでお母さんたちのまなざしの深まりとともに、
また長ブログになりそうですがつぶやきます。
1.どんなことをしていましたか(子)
お母さんたちが“ツクリテ”となって準備したそれぞれのデバイスの“母の願い”を
柳川郁生の解釈で綴ってみたいと思います。
坂道をかけあがってジャンプです。
ここを畳にしたのは「支え」て登ってほしいという願い、そしてジャンプはフワッと「跳び上がる」感覚を感じてほしいということだったとまきこさんがコメントしてくれました。
傾斜が緩かったのでみんな駆けあがっていましたが、それだけみんなが勢いをもって動けるということですよね。
次回はそれに負けないようなデバイスを……ですネ。
ここは高〜くジャンプですネ。
高いところから跳び下りているうちに、膝を柔らかく使った‘弾むような受けとめ’ができるようになってきます。
その受け止めが弾むこと(ジャンプ)に影響を与えたりします。
またフワッと着地をするためにはフワッと空中へ高く跳びだす必要もあります。そ〜っと下りることではなく、一度からだ全体を高〜く引き上げることが柔らかな着地を先どりさせることが段々と理解できてくるはずです。
それからこの台に上るときのこの「支え」も大事です。
グッと自分の手のひらと肩の上にからだがしっかりとのる感覚がつくられていきます。
かずよさんが、しのちゃんの発言をきっかけにここでの3つのジャンプの感覚の違いについて発見をしていました。
タン、タン、タンとジャンプをくりかえす中で、一つ一つのジャンプが違うことに気づき、それをうまく気持ちのよいものへとつなげていく“動感志向体験”の出現です。
自分の感覚を発見し、その感覚を運動に結びつけて新たな運動感覚を発生させる。それが“動感志向体験”というものであり、この運動の感覚を発見することができるようになった力ができなかったことをできるようにしてくれたりします。
するとこの開脚跳びでのしっかりと「支える」感覚が生まれてくるのです。
跳び箱を跳ぶには脚力や腕の力が最も必要なのではなく、このフワッと自分のおしりが自然と浮き上がってくるような感覚を心地よく感じられることが大事です。
だからそのことを知った子どもは、自分なりの目標に向かってコツコツと取り組めるようになってくるのでしょうね。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
いろいろと子どもたちとの関係づくりに困っているお母さんもいるみたいですね。
でもまずはそこに気づき、そこを意識できることがいいんでしょうね。
私だって悪い父親の部分は気づかないふりをしているかもしれません。というよりだれも忠告してくれないので、気づいていないかもしれません。
でも運動学の中では、なにか違うことに気づく“違和感”というものもとても重要な運動を感じとる感性の初期段階としてとらえています。
そういう意味では大切ですネ。
そしていろんな対応に困りながらもお母さんたちは子どもたちの気持ちを少しずつ理解していっている様子がこの「まなざしカルテ」を読んでいると伝わってきます。
そしてさらに子どもたちが育ち、子どもたちの運動に変化が生まれると、お母さんたちの気持ちが広がり、お母さんたちの理解も深まっていきます。
なんだかお母さんが子どもを育てているんだか、子どもがお母さんを育てているんだか、そんな感じって普通にありますよね。
私も自分の子どもと接していて「恐れ入りました」「勉強になります」なんて言いたくなる時ってよくありますから。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
子どもたちがどんどんやりたいことを伝えてくれるようになったようです。
これはきっとお母さんたちの聞きだす力でもあると思いますが、“うんどう”に対する志向の感性がじわじわと生まれてきたからだと思います。
それから「お母さん見てて」とか、「先生見て」なんていう子どもたちの声が増えてきました。これは自分の中で運動の志向性が“図式化の位相”に近づき、自分自身の有能感を感じとれるようになってきた証なのかもしれません。
ですからお母さんたちは、しっかりと承認してあげてください。「うん、うん♡」「お!スゴイね!」って感じで……
そしてまだ図式化できない(見つからない)運動の感覚はそっとしておいてあげてもいいのではないでしょうか。まだ子どもたちの中に認めてほしい、分かってほしいという気持ちが発生していないということですから。
でもそんな時、こっそりとお母さんがその感覚を先に味見しておいてあげることも大事だと思います。
こんなふうにやるとできそうで、こんなふうにできるとこんな気持ちよさがあって、なんてことをお母さんが先に知っていると、子どもたちの運動感覚のよき理解者になれますよ。
美味しそうなケーキをこっそり味見しておいて、それを食べた子どもが思わずまん丸の目をしたときに「でしょ〜♡」って感じで共感してあげるってことでしょうか。……わかります?
ぜひぜひ余裕のあるお母さんは自分でも“うんどう”してみてください。
4.次回のオフィスアワーに向けて
ふみこさんのコメントに共感です。
『まだ半分は<たいようさん>でもいいと思うよ』
そうです、今日から<だいち組>なんて単なる暦の一方的な見方ですよね。
ですから<ほし組>のお母さん、子どもたちだけでなく、お母さんたちもまだ<ほし>でいいってことですよネ。
きっとやがて1年たつと<たいよう組>のお母さんになり、2年たつと<だいち組>のお母さんになるのだと思います。
そんなふうに優しく考えながら、子どもたちにまなざしを向けて、書いてみて、考えてみて、そして試してみてください。
そんななかでおもしろいことを発見できたりすると、またなんか想像力が膨らんできます。
たとえば今回はまきこさんと子どもたちの跳び箱の様子を見ていてふと気づいたのが、開脚跳びができる子は口がキュッと閉じていて、かがりちゃんの口はとび箱が近づいてくるととっても楽しそうに開いてきます。
とび箱が楽しいという気持ちがあらわれていていいなあと思ったので、そこをいじるのはもう少し様子を見てからにしようと思いました。
そしてしばらくしてまきこさんがかがりちゃんにそれを伝えると
跳べちゃいました。
口を開けたまま肘と肩でからだを支える感覚と、キュッと閉じて支える感覚を想像してみてください。
自分のからだの中の感覚で想像してみるのです。
そうするとなにかうんどうの新しい感覚が“創造”できてきませんか?
そんなことを試してみるのが、運動を伝える楽しさです。
教えるのではなく、伝える、だから見守る、
それが“まなざし”です。
今年度の共通演習『芸術と子ども』の授業が始まりました。
これは学生たちの授業でもあり、こども芸術大学の子どもたちの授業でもあります。
どちらの子どもたちにとっても楽しい時間になるといいですネ。
そして今日は
実際に運動する子どもたちのようすを見学してもらい、
そのあと実際に運動してもらいました。
4つ足で歩いてみたり
ごろんと前転してみたり
トン、トン、ト〜ンと跳んでみたり
いろんな運動を体験して楽しい感覚を探っていきます。
楽しく運動することと、運動の感覚を楽しむこと。
その違いって分かるかな……
まずはみんなで運動のイメージを創っていきます。
つぶやきカルテ2011(5月12日)
いよいよ2011年度の“うんどうのオフィスアワー”が始まりました。
新しいほし組のお母さんたちと子どもたちが加わり、
どんなオフィスアワーになっていくのでしょうか。
楽しみです。
とはいえ、これまで2年間かけて積み重ねてきた経験が
“うんどう”の場を自然とつくりあげています。
そして子どもたちも場の意味を理解し
お母さんたちと一緒にツクリテとなっていきます。
このオフィスアワーを始めてから、
そして今のだいち組のお母さんたちとの2年間の積み重ねで、
自然と“うんどう”にむかって場の空気が流れていきます。
これは去年までの流れです。
そしてここに新しいほし組のお母さんと子どもたちが加わりました。
楽しみです♥
1.どんなことをしていましたか(子)
ひとつひとつの運動のデバイスにはお母さんたちの願いがあります。
その願いを新しいほし組のお母さんたちにも理解してもらいたいので紹介します。
まずこれは『支える』感覚です。
フワッと浮いたからだの感覚が肩にのってそれをしっかり開いた掌(手のひら)で感じる。
そんな気持ち良さを伝えたい。
『走る』感覚です。
ふわふわのマットを走ると弾むような感覚が感じられたり、そして自然と膝(腿)を上げた軽やかな走りが生まれてきたり……
ただマットが引いてあるだけ。
でもこんなところで他の子どもの運動を観察することができてきたり、観察したことをやってみるという志向が生まれてきたり、「あ、ちゃんと見えていたんだ!」なんてことを気づかせてくれたりします。
ここも『走る』感覚です。
間にフープを置いて駆けぬけるだけですが、軽やかな足取りと大きなストライドが生まれて欲しいなと願っています。
こんなふうに跳び箱を置いて『走る』『跳ぶ(蹴る)』『支える』感覚をつなげていきます。
そうするとやがて‘開脚跳び’ができるようになるかな、なんて願っています。
そのためにはまずこんなふうにジャンプをしてみたりしながら、跳び箱や踏み切り板や走ることや、運動のいろんなことが好きになることも大事です。
それからこうやって見ること(=ゆっくりと理解していくこと)も、
実はすご〜〜〜く大事なことだと思います。
大人の理解のペースで「はい!やりなさい」ではなく、子どもの視線の先を一緒に眺めながら分かりあっていくこの感じ……いいですネ。
そしてこんな山もつくってみました。
これはりょうまくんがリクエストしたのですが、このオフィスアワーでどんなことをしたいのかというイメージをそれぞれの子どもたちが持ち始めたということですネ。
だからみんなやたらと私に話しかけてきます。
「○○したい」「先生見てて」「先生やって」「ねえねえ」「あのねあのね」
3月まではなかった子どもたちの行動です。
面白い♡
……ちなみにこの坂道のぼりは、『走る』感覚と『支える』感覚、そして跳んだり転がったりすることなど、楽しい要素がいっぱいあるんですネ。
それからこうやって鉄棒もありました。
無理やり技をさせるのではなく、まずは鉄棒を好きにすることから始められるといいですネ。
そしてやがてぶら下がってびゅんびゅん振ったり、ぐるんぐるん回ったりできるようになるともっともっと楽しくなるんですネ。
それにしても新しく加わったほし組のお母さんたちのまなざしがそばにあるから、
それをしっかりと子どもたちも感じています。
いいですねえ♡
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
すべてのお母さんたちがわが子の“うんどう”にまなざしをむけてくれていた感じです。
ほし組のゆきこさんのコメントには、「見てみようか」「目を向けさせる」「目を見ひらいて」「同感して」など、かなり本質に近づいた見え方が書かれていました。
みほこさんやそのほかのお母さんたちも「目を輝かせ」「イキイキと楽しそう」など子どもの表情や気持ちが見えているなど、とてもいい感じです。
だいち組くらいになるとさらに深いコメントも登場し、そろそろ私がいなくても大丈夫かもしれないなんて思ってしまいます。
かずよさんのコメントにある、「背中に、グッと伝わるものが……」とか、「気持ちよさを教えられた……」なんていうのは、運動学でいうテクスト発見能力であり、子どもたちの運動感覚に寄り添うことができるようになっているということです。
そして「自分なりに感覚を取り戻しているのかな?……」なんていうのは、対私的意味構造の観察能力であり、運動感覚の何かに気づいたことを見ぬくことができるようになったということです。
そしてさらには、「道具と自分との確認……」なんていう直接的には目に見えないものが見えてきているというのは、情況的意味構造の観察能力であり、タイミングや距離感、子どもの視点などを読み取ることができるようになったということでしょう。
こんなふうにお母さんたちのまなざしは、スポーツの専門家もかなわないぐらい深い観察力が生まれてきています。
なんかスゴイですよね☆
そしてなにより“借問能力”という‘どんな感じでその運動を行ったのかを聞きだせる’能力は、幼児の運動を対象にしたときに最も困難とされています。
「ねえ?今の運動はどういうふうにやったの?」と聞いてその答えを聞き出せるということです。
ところがはなこさんがこうたろうくんに跳び箱の跳び方を聞くと……
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
「体の中に、あたりとはずれがあって、それがぐるぐる回ってるの。
あたりの所にピッと止まると、とべたり、いいことがあるんだよな〜」
こういう言葉や気持ちを引き出せるお母さんの存在って、鳥肌が立つような凄さをもってますよね。
こんなスゴイことはきっと専門家にはできないかもしれません。
そして私はそれができる専門家になりたいなと思っています。
とにかく子どもたちはこの時間を楽しみにしてくれていたようです。
自主練(笑)までして備えてくれていた子どもも、いや親子もたくさんいたようです。
まずはそれをなにより嬉しく思います。
そして真っ先に“うんどう”に取り組んだり、没頭したりして、たくさんの言葉でいろんなことを伝えてくれるようになった子どもたちにすごく成長を感じました。
「お〜!次の時代が来たぞ〜〜!!」って感じです。
4.次回のオフィスアワーに向けて
どんどん成長していくお母さんたちに置いていかれないよう、
子どもたちの“うんどう”にまなざしをい向けていきます。
そしてどんなオフィスアワーになっていくのか楽しみたいと思います。