うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2012-07-02

つぶやきカルテ2012(6月28日)

つぶやきカルテ2012(6月28日)

 久しぶりにたくさんのお母さんと子どもたちが、
元気に体育館にやってきてくれました。

 これでこども芸大のみんなも復活って感じですね♡

1.どんなことをしていましたか(子)


 「グラグラするつり橋のようなデバイスをつくりたい。」
というともこさんのアイデアをもとに、こんなふうにつくってみました。


 子どもたちはグラグラとする不安定な感覚を楽しんだりそれをジャンプに利用したりなど、それぞれにいろんな楽しみ方を見つけていたようです。

 そしておそらくそのままでは、きっと子どもたちはこのデバイスをハンモックのように利用することを発見してしまうと思ったので、
その先に興味を示して自然と誘われてしまうようなデバイスをつなげようと考えました。


 そこで子どもたちの目に魅力的に映るであろう
‘いつもの’山(壁)をつくりました。

 斜度もなるべくチャレンジしたくなるように急な角度にしました。


 なんとかそのねらいは通じたようで、つり橋の上でお昼寝をする子はいませんでした(笑)。

 みんな壁を登りきると、つぎつぎとその先のデバイスへ進んでいきました。

 ヨカッタ、ヨカッタ。


 その次はホネホネトンネル(?)で『支える』感覚を導きだし、少しずつ手のひらが花のように開いてくるのを楽しみに待ちます。

 このデバイスもお母さんが中心になってつくっていました。


 そしてふみきり板をならべて『跳ぶ』感覚のデバイスです。

 ここでも1枚目のふみきり板と2枚目のふみきり板に距離を離したり、高低差をつけたり、といった工夫をしたり、3枚目のふみきり板を置くのか置かないのかなど、いろいろと考えていました。

 その結果、絶妙なアクセントのデバイスができたのではないでしょうか。


 でもそのお母さんのねがいが伝わりきらなかったこともあったので……


 こんなふうに平均台を置いたり


 お母さんと手をつないでもらってフワッと跳びあがる感覚を導き出してもらったりしました。


 そのあとはこんなふうに壁をのりこえるデバイスがありました。

 そしてそのあとをつなげるデバイスがつくられていなかったので、風船をぶら下げて手で引き上げることによって『跳ぶ』感覚のデバイスをつくってみました。

 ここではしゅうたろうくんやほし組の子どもたちを中心に、コツコツと“うんどう”と向きあう場面が見られました。


 それからコース外では、課題(開脚とび)に向かって真剣に取り組む子どもたちの姿もありました。

 こういった直接的な課題は、さまざまな“うんどう”体験を通してある程度の準備ができた段階で取り組むのがよかったりするので、さりげなくコース外で展開するのはいいかもしれませんね。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 お母さんたちからいろんなアイデアが少しずつ出るようになってきました。

 つくりながら相談してもらえると
子どもたちの“うんどう”に対しての“ねがい”を共有できるので、
どんどん誘ってください。

 そんなやりとりをすべてのお母さんたちに広げていけば、
なんとなく場の意味が伝わらないで悶々としていたりすることが減ってくると思います。

 そして共有の意識(ねがい)で子どもたちの“うんどう”をかこんであげれば、
きっとそれが子どもたちに伝わると思います。

 そんな世界に少しずつ少しずつ近づけていくのが
この『うんどうのオフィスアワー』の時間です。

 焦らずにいきましょうゆみさん

 そんなときは一緒に場を眺めてみましょう。

 それから
お母さんから直接的に感覚を通して子どもたちに“ねがい”を伝えてほしくて、
手をつないでジャンプをしました。

 そこでのゆきこさんのまなざしですが、
「はづきのタイミングに合わせていると、支える手の母もはづきを引き上げる力は要らないことに気づいた。」と書いてありました。

 
 そうなんです!

 お母さんの“ねがい”がうまく伝わったときは、
お互いが気持ちよくなります。

 それを運動学では“共鳴する”といいます。

 柳川郁生も体操の指導で補助をしていると、
「うちの子重いのにどうもスミマセン。」とか、
「よく持ち上げられますね〜。」なんて言われます。

 でも実はその子の運動の通り道をうまく見つけ出して、
そこへつなげていくと持ち上げる力なんて必要ありません。

 なんとなく水の流れを利用しながら、その流れの方向を変えていくのが体操の補助なんです。

 力が必要なのは危ない!と感じて運動にブレーキを掛けたり、
けがをしないように守ってあげる時だけなんですね。

 そんな感覚を導き出して共鳴できたゆきこさん

 スゴイじゃないですか☆

 やっぱりまた手をつなぐデバイス、次回も考えてみたいですね。

 共鳴できた瞬間のあの感覚!たまらないですよ〜♡

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 お母さんたちの“ねがい”のこもったデバイスを通して、
子どもたちはいろんな運動感覚の体験ができてきました。

 小学校へ行ってから器械運動をしたり、球技をしたり、かけっこをしたり、いろんな運動に必要な準備が少しずつ始まっています。

 今回の解説の中で「ふみきり板の使い方(跳び方)を覚えたり、
手でしっかりと支える感覚を習得することで、
跳び箱(開脚とび)を跳ぶ準備ができていくんですよ。」という話をしました。

 すると「うちの子は上手にできたから、来週は開脚とびをさせよう。」
なんて考えがちですがもう少し待ちましょう。

 じっくりじっくりまなざしをむけて観察していくと、
もうそろそろかなというタイミングが見えてきます。

 それが見えていないのに、
もしくはそれを見つける力がないのに、
子どもたちを次の段階へ進ませようと焦ると良い結果には結びつきません。

 「うん!今なら大丈夫!!」とお母さんが確信を持った時に、
もしくは「今なら最後まで責任を持ってつき合ってあげられる!」と判断できた時に、
そんな直接的な課題に“ねがい”をこめてみてください。

 跳び箱が跳べた!逆上がりができた!というのはとってもわかりやすい客観的な結果であって、
そこへたどり着くまでのプロセスを見えるようにしていきたいというのが、
この『うんどうのオフィスアワー』が目指す促発の世界です。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 もっともっとお母さんたちと“ねがい”を共有できるよう、
子どもたちの運動の現場で話をしましょう。

 遠慮せずにいろんな疑問や発見を伝えてください。

 よろしくお願いします。

 は〜、また22時を過ぎてしまいました。

 早く帰って晩ごはんを食べるためにも、明日の授業に備えるためにも、
今からコブログを更新して帰りま〜す。

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