うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-10-22

つぶやきカルテ2011(10月20日)

つぶやきカルテ2011(10月20日)

 1ヵ月ぶりのオフィスアワーとなりましたが、なんだかいつも通りの……というか、
1ヵ月前のオフィスアワーからつながりをもった“うんどう”が展開されていた感じです。

 じょうたろうくんがもってきてくれた「サスケ」のイメージと、
お母さんたちの実現力がいい感じで作用しましたネ。

 それよりなにより子どもたちや、お母さんたちのこの時間に対する
‘思いが継続’していてくれたことが一番なのでしょう。

1.どんなことをしていましたか(子)


 「サスケ」のこんなイメージを起点にして


 こんなデバイスができあがりました。

 今日の子どもたちはこれに夢中です。

 仕掛けの面白さもありますが、お母さんたちで囲んでいるということもきっと子どもたちにとっては楽しく感じたり、ちょっとあぶなそうなことも安心してできる要因の一つなんでしょうね。
(でも、お母さんたちにもっとわが子にまなざしを向けてもらうためには手のかからない工夫も必要なんですが……)

 どっちも大事ですネ(笑)


 踏み切り板をつなげて、こんなデバイスもありました。

 走り抜けたり、ジャンプをしたり、子どもたちは自分で運動を選んで展開していました。


 ほかにもいろいろありましたが、
今日はちょっと省略。

 運動の変化の方で紹介します。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 とにかくお母さんたちのまなざしが広く、深くなってきました。

 ゆきこさんは、「(動きの)つながり」「感じて」「支えるという感覚」などという客観的な視点では見えないものを感じられるようになり、「お!いまのかんじ!」「いいかんじだね!」なんていうことが見えてきています。

 どうですか?
ほかのお母さんたちも自分のまなざしを、
『まなざしカルテ』を見返してふり返ってみてください。

 初めのころは他の子の“運動”と比較して「できる・できない」と評価していたり、力がない、気持ちが続かないなど足りないこと(欠点)を探したりしていた視点から子どものうんどうを見ていませんでしたか。
 
 でも少しずつどんなことが好きで、どんな表情を見せて、どんなことに夢中になるか、子どもたちが“うんどう”を好きになれるよう、お母さんたちのまなざしも豊かになったでしょうか。
 かずよさんのまなざしは、自分の動感としのちゃんが感じている動感との間でしっかりと共感が生まれています。
 「久々に手をつないで出来るデバイスつくりもやってみたいですネ。」という気持ちは、
きっとその感覚を手と手を通して実感したくなったのでしょう。

 運動の最初の成功は『まぐれ』です。
 偶然できてしまったことをもう一度やろうと思ってもうまく思いだせなかったりします。
 ですがまた工夫をしていくうちにだんだんと確率が増し、その運動のやり方が定着します。

 できていた運動ができなくなってしまうことがあります。
 ですがまた工夫をしていくうちに思いだすと、その運動のやり方が強くこわれにくい感覚の協調となります。
 これを運動学では再統合といいます。

 えつこさんに見守られて、ゆいこちゃんはこれをしていたんですね。

 跳べなくなってしまった跳び箱を、少しずつ思いだしながら工夫をしていく取り組みができるようになったのは、とてもスゴイことだと思います。

 そしてそんなゆいこちゃんに、
「とべるときととべないときどこの時点でわかる?」なんて質問して、
「とんだとき!」なんて感覚の答えを引きだせるようになったえつこさん
 これは促発に必要な能力の中の観察力の『借問能力』(どんな感じでその運動を行ったのかを聞きだせる)、難しくいうと「現前化されている運動感覚の能力を借問して、微妙な運動能力の地平構造まで聞きだす能力」ということです。
 スゴイ!!

 だから自信に満ちあふれた表情や、余裕のある表情にまなざしが向くんですネ。

 
 こんな“まなざし”の域に達するには、これまでの‘運動’という既成概念にとらわれることなく、子どものような真っ白な志向で“うんどう”に向きあえるようになることが重要です。
 そのためには1年、2年と「まなざしカルテ」を書きつづけながら、
子どもの“うんどう”に寄りそうことが大切です。

 ほし組のお母さんたちはまだ2年以上あります。
 ゆっくりゆっくりでいいですから、少しずつず少しずつでいいですから、
続けていってみてください。

 今日の授業で‘農業の基本は持続性である’なんてことをやりました。
 どんなことでも生命と連帯しあう相互性の中で生きている。
だから持続していくことが大切……ということでしょうか。

 ……ちょっと大げさかな……?

 でもゆっくり、運動形成の五位相でいうところの“原志向位相”(なじみの地平)を忘れずに、
ゆったりとした時間の流れをつくりましょう。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


こんな支えることから始まって

こんなふうに支えたり

さらにはこんなふうに支えたり

そしてこれだって支えるで

 こんな支える倒立や

支えて切りかえす跳び箱の開脚跳びや

支えて回る側転へとつながっていきます。
 子どもたちが楽しむうんどうの中にこんな“動感素材”を願いとして創っていくのがこのオフィスアワーの時間です。


そしてこんなふうに踏み切り板でジャンプしたり

走ったりしながら

こ〜んなきれいな運動(走り)が生まれてきます。


 ともみちゃんのこの走りだってそうです。

ほら!この軽やかな後ろ姿♡
 柳川郁生は、運動のよさっていうのは
‘速い’とか‘強い’とか客観的な事実だけが大事なのではなくて、
‘美しい’とか‘楽しい’や‘気持ちいい(感覚的に)’という主観的なことも大事だと思っています。
 
 というよりもむしろ、この美しい、軽やかな動きを、
物理的な尺度で他人と比較する必要なんてないんじゃないかとさえ思っています。
 だからじゅんこさんのようにいい顔が見れた時は、
その場ですぐに褒(ほ)めちゃってください。

 その瞬間を逃してはだめです。

 あとで褒めても嬉しさは半減してしまいます。

 そして褒(ほ)めるっていうのは煽(おだ)てるのではなく、
スゴイね、いい感じだねってことを認めてあげるってことです。

 そしてお互いに「うん♡うん♡」って感じで認めあえると
すごく嬉しい気分になりますよ。
   ・・・・・・想像してみてください。


 見てください!
 この姿勢だって……
‘しなやかに伸びた腕’、‘無理なくスウィングをつくりだす腰の角度’、
‘スッとその振りを大きく広げていく足先の伸び’
 そんなふうに見ていくととっても素晴らしい運動です。
 それをちゃんと感じているこうこちゃんの顔はいい感じですよね♡
4.次回のオフィスアワーに向けて

 こうやってブログをアップしていると、時間がなくて書けないのではなくて、
つぶやきが多すぎるということが原因なのだということが分かります。

 でもそれだけお母さんたちのまなざしのコメントがひろがりをもってきたということです。
 本当は個別につぶやかなければいけないかもしれないのですが、
それをするともっと大変です。

 なので子どもたちの“うんどう”を生で見ながら語り合いたいと思います。
 もっともっと話しかけてきてください。

 そうすればこのブログも短くなる……かな?

 あ、それからまきこさん
 サッカーもおにごっこも、なわとびも、フラフープも
“うんどう”でいいんじゃないでしょうか。
 
 うんどう=体操の部分は柳川郁生がしっかり張り付いて留守番していますから、
お母さんたちは子どもたちといろんな運動をしてきてください。

 私はなるべくこっちで待っている役をしつづけようと思っています。

 なので次回は……

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