春です。
季節は刻々と変わって、長い冬を終えた山形にも春が来ました。
冬、ふゆ、エネルギーが殖ゆる。雪がしんしんと降って、ゆっくりゆっくりの冬はエネルギーをためる籠りの季節。
春、はる、エネルギーが張る。冬にためたエネルギーがいっぱいになって、暖かい日差しに照らされて生命力あふれる季節。
元気あふれる季節、放課後農芸では畑開きです
身軽に外へ出て耕しましょう!
新入生を迎えての初めての活動、鍬の洗礼です。
鍬とか使うの好きな人いないよねと、
「耕し選手権」と名付けていかにも楽しそうな雰囲気を出しましたが
そんな心配もなんのその!
土を一心に耕すみなさんの姿はいきいきと!、しているようにみえました!
たくさんの人が集まって、農芸の固い畑もあっという間に耕されました。
畑を耕して、また一年の活動がはじまります。
今年もおもしろいことたくさんできそうですね。
たのしい仲間が増えるのは嬉しいです。
畑はもう半分耕すところあるので、耕してひと汗かきたい人募集中!
記:渡部萌
先日味噌づくりをしました。(ブログ記事あり)
その前に、麹を頼んだ深瀬善兵衛商店さんに事前学習へ行ってきました。
深瀬さんは味噌、醤油、漬け物を製造、販売しているお店です。
麹について、味噌作りについて、一人一人の質問に答えて頂きました。
私は菌に興味があったので、菌の話を聞いて麹菌に思いはせました。
菌は目に見えないけど、発酵させたり、カビさせたり、目に見えるいろんなことを引き起こしてきます。
想像するだけでなんだかたのしくなりますよね。
麹菌は、菌屋さんから買うということを聞いてとても驚きました。
菌屋さんというのを初めて聞きましたし、菌を売り買いすることを考えたことがありませんでした。
菌屋さんとても気になります。未知の菌の世界に一歩踏み込みました。
味噌、醤油づくりもそういった目に見えないものを含めたとても繊細な仕事であり、
日本人にとって無くてはならない仕事だとおもいました。
しかし昔に比べて、今は味噌の需要が減っていると聞きました。
一人暮らしが増え、なかなか味噌を使わない様です。どうしたらもっと手軽に使えるでしょうか。
私はみそ汁が好きです。体がシャキッとするのでとてもよいです!
日本には優れた発酵食品がたくさんあるので、日々の生活で大切にしていきたいです。
深瀬さん、ありがとうございました。とても勉強になりました。
記:渡部萌
今年の1月末のこと。アパートのポストになにやら大きな封筒が入っていました。
私への宛名のとなりに「放課後農芸みんなの本棚係」と書いてあるので何かと思って開けてみたら、
それはそれはすてきなお届けものだったのです。
そこに入っていたのは、二冊の本と一枚の手紙。
思いもよらず送り主は私の高校時代の先生。
手紙には、「農芸のブログを読んで、感動のあまり本を二冊寄贈します。」と書いてありました。
三木成夫さんという解剖学者の著書『内蔵とこころ』と『胎児の世界』の二冊。
先生の人生を変えた恩師であるという三木成夫さん。
大切なものを次の世代に伝えたいと農芸メンバーへ本を送ってくれたのでした。
みんなで読んで感想を載せていこうと思います。
“生命の主人公は、あくまでも食と性を営む内臓系で、感覚と運動にたずさわる体壁系は、文字通り手足に過ぎない。ところが私どもの日常を振り返ってみますと、目に付きやすい体壁系にばかり注意が注がれ、いわば前端の顔しか見せない内臓系のほうは、ついおろそかにされているのが現状のようです。”
p.87「”はらわた”を見直す」
–解剖学では人間の感覚器官を以下二つのように分ける。
体壁系…手足や脳、目や耳など体の外側を造っている部分
内臓系…体の中、“はらわた”の部分
体壁系を象徴する脳、内臓系を象徴する心臓。それらは、考える「あたま」と感じる「こころ」、人間の精神を支える2つのものとも重なります。
はらわたとこころが関係付くと、おもしろいことが見えてきます。
食と性のはらわたのうねりは時の移ろいを感じさせ、私たちは様々な事を思うわけです。
興味のある方はぜひ読んでください。情報量が多くて、話が具体的で、とてもおもしろく勉強になります。
そしてわたしは一度では理解しきれませんでした。
自分のあたまで考えて行動しているようでいて、生きている以上すべて影響を受け続けている私たちは、頭ばかりでなくてもっとはらわたの感覚を大事にした方が良くないか
ということだと私はこの本を読みました。
たくさんの言葉や説明、事柄を求められる世の中で、
もちろん相手に伝えることはとても大事なことだけれど、
言葉が重視されすぎると、言葉が完成したときにはもう本当に伝えたい感覚は忘れてしまっているかもしれない。
すてきで整えられた言葉はたくさんあるけれど、
それ以前のその人の生身の部分に触れられるような、きれいじゃなくても、かたよっていても、そのままのことを聞きたくなる。
言葉は仮の姿で、その向こうの世界に触れられたときに言葉は意味を持つ。
動機や説明、行動するとき理論が先立たなくてはいけないような気がするけど、大事なのは自分の感覚。
それは自分でしか判断のできないこと。
判断を何かに頼ってばかりいるとはらわたの感覚が衰えてしまいそうです。
ほんとうに充実した気持ちのとき、おなかがあたたかくなるのを最近感じます。
はらわたの感覚に正直になったら、きっともっと楽でたのしい。
「内臓とこころ」次の人に渡します。
記:渡部萌
秋に種をまき間もなく芽を出した小麦は雪の下で冬を越しました。
雪が溶け、再び姿を現した小麦は春の暖かい日差しを受けて、
ぶわっと成長すると聞きました。
本日、昼下がりの小麦畑ではたっぷり光合成が行われているようでした。
先日見た時よりも伸びているような、気もします。
よくぞ冬を越えてくれました。これからの成長をたのしみにしています。
記:美術科彫刻コース 渡部萌
毎日のように食べるお米。
放課後農芸では手作業でお米を作っています。量は少ないけれど、学ぶところは大量です。
秋に収穫した稲は、いよいよ脱穀・もみすりをしてお米になります。
茶碗一杯は米粒3000粒ほどあるそう。
作業をしてみて、そのひとつぶひとつぶが食べられるようになるまでなんて手間がかかるのだろうかと、
驚きどころではありません。。
人間のつくってきた道具の力を実感するとともに、弥生時代の人たちの稲作を見学したい想いでいっぱいです。
脱穀。干した稲穂から米粒を外します。
人力の作業では、千羽扱きや足踏み脱穀機を使ったり、竿でたたいて外す方法などがあります。
現在はコンバインという機械で刈り取りと脱穀をします。
江戸時代前期に千羽扱きが登場するまでは、竹2本、または竹を縦に割ったものを用いる「扱きはし」という方法で脱穀をしていたそうです。
私たちも棒で挟んで、一束ずつ米を外していきました。
体力を使うような作業ではないものの、手間と時間がかかる!
昔の人たちも寒い季節にこつこつとやっていたのか。
もみすり。米は一粒一粒、籾殻に包まれています。
これを外さんことには米が食べられんのです。そしてこれを外すのが、手作業では驚異的に大変なのでした。
もみすり機以前は、土臼や木摺臼(きずりうす)を用いていたようですが、米がくだけたり昔から大変な作業のようです。
今回は、すり鉢の中で石で摺ったり、ビンの中で棒でつついたり、ヤスリと石で摺ったり、手で剥いたり、、
そして、
5人で3時間ほどの作業の結果、約2合の玄米ができました〜!
もみすりの方法は改善の余地があるので、研究を進めます!
記:芸術学部美術科一年 渡部萌
野良仕事の合間のおやつ。ふもち。
岩手、宮城では“がんづき”と呼ばれるこの蒸しパンのようなおやつ。
山形では“ふもち”と呼びます。
いつも畑でお世話になっているお母さんから秘伝のレシピを教わりました!
そのお母さんは、お隣の吉野さんという方から教わったそうです。
オーブンが無くてもできる。嬉しいおやつ。
農民としてこれはマスターしておきたい。
春、夏に比べて冬の活動は地味です。
米や豆の脱穀、籾殻の籾摺り作業は本当に地味です。(機械を使っていないのでさらに…)
でも時間が沢山あるから、手間をかけることが出来る季節です。
家に籠ることを強いてくる雪は、時に疎ましく感じますが、ありがたいものでもあります。
かつて、家の中で一番奥の暗い蔵に種を保存したと聞きました。
それは、籠ることによって種の生命が殖ゆると信じられていたからだそうです。
人の手でなんでもコントロール出来るとつい思ってしまうほど便利で安全な暮らしをおくっていても、
雪がふれば、横断歩道も、白線も見えない。
走れば転ぶし、何をするにもいつもより時間が余計にかかる。
なんで雪が降る土地に住んじゃったんだろう、と時々思うけれど、
雪は土地の暮らしを守ってくれる。教えてくれる。
本当は春だって、夏だって、秋だって教えてくれているけれど、
東北の冬は、やっぱり雪の声が大きい。
(いや、春も負けてない)
そんなこの冬の放課後農芸メンバーの私生活はというと、
しっかり籠って、麺と出汁から作るラーメン、白菜から作ったキムチ、カカオを割ることろからチョコづくり、右手で食べてみようインドカレー、
などに挑戦しているようです。
今後はきなこ、ピーナッツバター、も作る予定。
生命力、殖ゆってます。
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記:農芸ファシリテーター 飯塚咲季
11月23日、この日は片付け&シチュー会でした。
ゲストとして山形ビエンナーレでFOOD LABOを受講されていた
今さんと長谷川さんをお招きしました。
8:00から納屋と家の片付けをはじめ、片付け終了後に収穫班と
シチュー班に分かれて作業しました。
畑でとってきた野菜を、丁寧に洗います。
一方ではバターづくり。
ペットボトルに牛乳と生クリームを1:1で入れ、あとは振るだけ。
SHAKE SHAKE!!
凝固してきたら出来上がりです。
シチューは擂り下ろしたジャガイモとバターを炒め、牛乳を加えて作ります。
ゆっくり暖をとりながら煮込みます。
良い香りがしてきました。
そこにまたまたとれたて野菜をたっぷり投入。。。
ゆっくり煮込んで、ついに完成です!
思わず笑みが漏れます。
それでは、みんなでいただきます!!
とれたての野菜をお料理してみんなで外で食べるご飯、
美味しい。
シチューだけでなく、パスタ、焼き芋、手作りパン、サラダ、果物、デザートも盛りだくさんで
胃も心も満たされました。
世の中は便利になって、大量生産使い捨て、
ごみがどんどん増えて、モノを大切に使わなくなりました。
豊かになっているように感じる人もいるかもしれませんが、
本当にそうでしょうか。
この日、畑で野菜を収穫し、みんなで料理し、隅々まで食べました。
「そこが一番美味しいから、捨てないで」と教えてもらいながら、
学びながら料理しました。
無駄をなるべく出さない暮らし方もあるんですね。
そんな丁寧に過ごす濃密な時間が、かけがえのないものだと気付かされました。
私にとっての豊かさ見つけられた気がします。
最後は玉手さんがいれてくれたコーヒーをいただきました。
温まります。
誰かと作ったり食べたりおしゃべりしたり
そんな時間をこれからも大切にしていきたいですね。
記:プロダクトデザイン学科2年 成田杏子
堆肥隊では来年の野菜作りに向けて堆肥を作っています。
腐葉土と、学食と連携した生ゴミコンポストのふたつ。
来年良い堆肥が野菜作りに使えるように。
11月17日 AM7:00[落ち葉集め]
腐葉土には落ち葉がたくさん必要。軽トラック4杯くらい。
平日、授業の前に集まって落ち葉を集め、
リヤカー満杯に積んで大学裏の畑へ、
冷えた朝の空気のなか、坂を下りたり上ったり。
体が温まって、いい朝練。
11月27日 AM7:00 [木枠つくり]
拾い集めたベニヤを組み立てて、堆肥の場所つくり。
溝を掘って、杭を打って、釘をコンコン。
ちぐはぐ感がかわいらしくてなかなかいい感じ。
朝は寒いけど、朝しか味わえない空気があって、
テマヒマかけて堆肥の準備をして、
それから一日が始まるなんてちょっと得した気分。
こっそり、草木塔をつくったり。
11月30日 PM1:00[堆肥仕込み]
落ち葉、鶏糞、米ぬかをミルフィーユ状に重ねて発酵させると堆肥が出来るそうなのです。
鶏糞と米ぬかはそれぞれいただきもの。
農芸の活動をあたたかく見守ってくださる方がたくさんいて、ありがとうございます。
ひたすら落ち葉と鶏糞と米ぬかの層を積み重ねて、ときどきしゃべりながら。
畑では素直なことばがポロポロでてきて、話すのもよりたのしい。
微生物のはたらきで堆肥の温度は上がり、最高では80度にもなるというので驚き。
一握りの土の中に星の数ほどの微生物が棲んでいる。
木村秋則さんの『土の学校』にそんな一節がありました。
落ち葉と鶏糞と米ぬかを積み重ねるとなぜ堆肥になるのか理解できなくても、その方法を受け継いで堆肥作りをすることができます。
これまでの人たちの経験の蓄積が知識となり、その知識によって私たちは経験し、そしてそれは活きた知識として自分の中に蓄積していく。
畑の活動をしていると連綿と続く人間の営みをリアルに感じます。
微生物という言葉を当たり前のように知っているけど、それは誰かの発見した知識で、
微生物を知らなくても畑で経験するそのはたらきは、80度の熱を発生させるそのはたらきは、もっと本当のことという感じがします。
目に見える分かりやすいものに意識は行きがちだけど、見えない聞こえない触れられないところで作用している何かに意識を向けられるようになれたら、もっとていねいに過ごせそうです。
記:芸術学部美術科彫刻コース 渡部萌
9月に植え付けた白菜の葉が大きく広がって、
同じく9月に蒔いたカブはもりもりと土から出てきました。
春蒔きのにんじんは太くて鮮やかな色。
菊がきれいに咲いていました。
秘伝豆は大豆にして、豆腐作りをする様です。
そして・・・!
前回お知らせした、小麦の芽が出ています!
可愛いですね〜〜!
しかし雪の下で冬を越す頼もしい植物です。
成長が楽しみです。
いろんな活動が広がっていますが、畑はやはりとても大切な活動です。
畑に行く度新たな発見と感動があり、楽しい。
畑からおいしい幸せをみんなにおすそわけ
記:芸術学部美術科彫刻コース 渡部萌
去る10月2日、放課後農芸に新たな活動隊が発足しました。
小麦を育てて究極のパンを作って食べる。小麦隊です。
放課後農芸では野菜と田んぼをやっています。
そうしたら自ずと次は小麦かな、、勝手に思っておりましたが小麦って育てられるのか。
と思っていたら、パン酵母用に小麦を育てているという方に会いました。
小麦は種を蒔いたら収穫まで世話入らず。
翌年6月の梅雨前に刈り取り、乾燥、脱穀。
脱穀は樽の中で穂を叩き付ければいいらしい。
脱穀したものを布に乗せて、風が吹いたときにファ〜〜って籾殻を飛ばすそうです。素敵な作業。
その後、
山形での小麦の種まきは10月10日頃だと教えて頂き、
別件で訪れたパン屋noukaさんで小麦種を分けて頂き、
小麦用に新たに畑をお借りさせて頂き、
おかげさまで小麦隊に名乗りを上げた約10名は夢の小麦栽培を始めることができました。
10月5日AM6:00
草刈り。草は刈りすぎず、蔦が強い葛は注意して刈り取り。
6:30になったのでラジオ体操も。
朝の畑でラジオ体操は欠かせません。なんと第二までやりました。
10月10日AM8:00
小麦の種まきはバラマキ。
踊りながらまんべんなく。
ここ一面に麦の穂が揺れているのを想像しながら蒔きました。
蒔いたら春まで待つばかり。
小麦ができるの楽しみです。
石臼も作りたいです。
記:美術科彫刻コース一年 渡部萌