うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-07-03

つぶやきカルテ2011(6月30日)

つぶやきカルテ2011(6月30日)

 5月、6月とオフィスアワーを展開し、だいち組の子どもたちが夢中になって“うんどう”する姿を通して、子どもたち全体の取り組み方も少しずつ変化してきました。
 というわけで、その子どもたちの成長に支えるために

 ひさしぶりに柳川郁生は、ニコニコしながら怒りたいと思います。

 『まなざしカルテ』を書いてください!!

 このオフィスアワーは、子どもたちの運動教室ではありません。
お母さんがいて子どもたちがいて『うんどうのオフィスアワー』になります。
 子どもたちの運動能力を向上させるのが
この時間の主となる目的ではありません。

 お母さんと、子どもたちの運動の感性を豊かにしていくのがこの『うんどうのオフィスアワー』の時間です。

 そのためには、運動を見て、運動に取り組んで、
いろんなことに気づけるようになる必要があるんです。

 体を鍛えて、体力をつけて、集中力ややる気を育てたいのであれば、
どこかのスポーツクラブへ通った方が効率的ですよ。
 ですからこの時間は、もっともっと子どもたちの運動の感性によりそってお母さんたちが応援できるようにするために『まなざしカルテ』を書いてもらっています。
 そうすることによって、少しずつ少しずつ子どもたちの運動の感覚や志向性に気づける、お母さんたちの感性が育っていくのです。

 だから必ず「お母さんの参加できるときにだけ来てください」といっているのです。

 もしお父さんがお母さんの代わりに来たら、お父さんが書いてください。
 もしおばあちゃんがお母さんの代わりに来たら、おばあちゃんが書いてください。
 このオフィスアワーを開催するときにお話ししました。
 まずは書いてみてください。
 書こうとすると見えてくることがあります。
 書かないでいると知らないままでいることになります。
 最初は「書けない」ということがスタートでも構いません。
 でも1行でもいいからコメントを残すことで、
 少しずつ少しずつ子どもたちの感覚や志向性が見えてきます、理解できてきます。

 その取り組みをしないでこの『うんどうのオフィスアワー』に参加していても意味がありません。
 しつこく言いますが、自分の子どもがノートも持たずに小学校へ通っていたらどうしますか?

 「お母さん、なんでぼくの『まなざしカルテ』を書かないの?」と聞かれたらなんと答えますか?

 柳川郁生は真面目にこの時間を大事にしています。

 そんな大切な関係をつくろうと思っているのに、
 『まなざしカルテ』を書いてくれないお母さんとは
片思いなんだなと思います。

 柳川郁生だけではありません。

 みんなでみんなでつくっている、
大事な大事な『うんどうのオフィスアワー』の時間です。

 みんなで”まなざし”をつづって、“つぶやき”をかえして、
こつこつと積み上げてつくりあげてきた時間です。

 ここまでつくるのには本当にみんなの『愛情』が必要でした。
大変でした。時間がかかりました。

 ですから「書かなくても……」なんて思わないでください。

 みんなで本当に大切にしている時間です。よろしくお願いします。

 この時間を大切にしているがゆえに長々と書きましたが、そろそろ本編へ……
1.どんなことをしていましたか(子)


 まずはこんなデバイスがつくられていました。

 子どもたちは支えたり、跳んだりしていました。

 その先はこんなふうに登っていって、跳ぶでした。


 その先には先日たいよう組の「うんどうの日」でつくった、跳んで支えて跳ぶデバイスをつなげてみました。

 これを使ってみんないい踏みきりの感覚を見つけ始めたのと、何人かの女の子が跳び箱に興味を持つきっかけになっていたので、せっかくだから登場させてみました。

 それからお母さんたちが考えたデバイスです。

 支えて跳び乗って、跳んだり、回ったりできます。

 子ども芸大の子どもたちは、ひとつのデバイスを使って本当にいろんな運動を展開します。

 そしてお母さんたちも、広〜い理解でそれを見守っています。

 そこんところがスゴイですネ。


 そのあと少しデバイスに人がたまってしまうので、次をつなげてみました。

 マネジメント的なことですが、混んできたら流れをつくってあげると、みんなが一つ一つのデバイスを十分楽しめるような余裕がつくれたりします。

 これも工夫ですね。

 鉄棒なんかを置いたりもしました。

 この肘をピンと伸ばしてバーの上で支えている感じがいいですね。

 これは腕の力がついたからではありません。

 自分の身体を支えるいい感覚が見つかったからです。

 
 なにか運動ができるようになったり、できなかったりすると、すぐに力や体力、気持ちや根性のせいにしがちです。しかしいい運動の感覚で発見した運動のやり方(通り道)は、楽に最小限の力でできる方法です。

 力がないから逆上がりができない。力がないからおしりが持あがらない。力がないから腕で支えられない。

 そんなふうにすべて力のせいにしているのであれば、みんな運動なんてせずに筋トレをするのが近道のはずです。

 ぜひ自分で書いた『まなざしカルテ』を読み返してみてください。

 どう書いてありますか……

 正解があるわけではありませんが、そうではないもっとここちよい感覚でできてしまう運動のやり方が見つかってくるはずです。


 それから2本のコースをつなぐために、長〜くマットをつないでみました。

 すると側転をしだす子どもたちが出現しました。

 最初のきっかけはさやちゃんでした。

 そこから次々と取り組みだす子どもたちが増えて、まだ入学前の子どもたちもマネをしだしました。

 見えているんですね。写っているんですね。2才の子どもの眼にも。


 そこでうまく側転の運動を見つけられるよう、こんなふうに跳び箱を置いておきました。

 こういった運動の感覚から、少しずつ側転の感覚が見つかってきます。

 いきなり逆さまになるとわけが分からなくなったりしますが、こうやって少しずつ自分の肩にふわっと体重がのっかったり、身体がくるっと回転したりする感覚を体験していって側転につなげていったりします。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)


 やってましたねえ。

 夢中でしたねえ。

 いい感じでしたねえ。

 スゴイですねえ。
 こんなふうに取り組んでみると、「わからない感覚」「できない感覚」「わかりそうな感覚」「できそうな感覚」「わかった感覚」「できた感覚」など、いろいろな感覚と出会うことができると思います。

 なんか「分かりそうな感覚」や「できそうな感覚」がちかづいてくると、顔がニコニコしてきます(*´∀`*)

 「できそうな感覚」の次にやってくる「できた感覚」を身体が感じとったとき……キタ━(゚∀゚)━!って感じになるんですよね。

 
 ゆみこさん、ぜひぜひ側転をマスターしてください。

 この側転の楽しさを知ったときに、きっとこの気持ちよさをゆうたくんに伝えたくなるはずです。

 そしてそれが伝わったときに、お互いの運動感覚が共鳴し合って、すっごく充実した幸せを感じることができるはずです。

 グルメ雑誌に載っていたレストランに連れていって、おいしいと紹介されていたオムレツを食べさせるのではなく、自分が見つけて実際に食べてみて、最高に美味しいと感じた親子丼を「うわーっ!本当に美味しい♥」と言ってもらえた時のように、自分が見た夕焼けを今そのとき一緒に見てお互いに共感しながら「すっごくきれいだね♥」と感じるように、運動の世界でつながり会えると本当に幸せですよ。

 そんな幸せに出会えるから、そんな幸せを伝えたいから、
柳川郁生はオフィスアワーを続けています。

 だからお母さんたちに「まなざし」をむけてもらい、わが子を通して見えてくる姿や表情、取り組みや気持ち、運動の変化などを書きつづることによって“うんどう”の理解者になってもらおうと思っています。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 子どもたちは、このオフィスアワーの“うんどう”というものを見つけ始めています。

 だからいまここで大人たちは“うんどう”と“運動”の違いを意識しなければいけません。

 そしてそれは簡単に説明できるものではありません。

 でも「まなざし」をむけていったお母さんたちには、なんとなくその空気が分かっています。

 書きつづった『まなざしカルテ』を振り返ってみると、それが見えてきたりします。

 
 今これから秋の「親子・運動の日」に向けて,
子どもたちの運動の感性はグングンと育っていきます。

 そんな子どもたちによりそって、
いちばんの理解者として愛情たっぷりに応援できるよう、
私たち大人も一緒に育ちましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 オフィスアワーに参加したら、
必ず次回の参加までに『まなざしカルテ』を書いてください。

 そして柳川郁生も『つぶやきカルテ』を書き続けます。

 だってここは“うんどう”の世界をつくることによって、
“運動”の感性を育てていくところですから。

 子どもたちに運動させるだけなら、大人が理解者になろうとしないのであれば、
この時間を、この場所で過ごす意味はないと思っています。

 みんなで楽しいオフィスアワーをつくっていくために、
よろしくお願いします。

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