うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-09-16

つぶやきカルテ2011(9月15日)

つぶやきカルテ2011(9月15日)

 とてもいい雰囲気のオフィスアワーになってきましたが、ここでちょっとお母さんたちに課題を出してみました。

 『子どもたちのデバイスにお母さんたちの願いをこめてみましょう♡』ということです。

 おそらく何が自分の願いなのかもまだ気づけずにこの“うんどうのオフィスアワー”に参加しているお母さんもたくさんいると思います。

 まずはそれでいいのです。

 それが次第に子ども自身の願いが見えるようになってくると、お母さん自身の願いに気づけるようになるはずです。

 柳川郁生自身も「逆上がり」「開脚跳び」「側転」というような直接的な運動の完成が願いではなく、ギュッと支えた感じとか、フワッと浮き上がった感じとか、グルンと天と地がひっくり返ってもどってきた感じとか、その瞬間に見せる子どもたちの「あ!」という表情を見たいというのが願いです。

 そんな感覚との出会いの発見をたくさんしてもらう場にしたくてこの“うんどうのオフィスアワー”を展開しています。

 まだまだこれから、おつき合いをよろしくお願いします。

 ……と、まとめの言葉みたいになってしまいましたが、またつぶやきますネ。

1.どんなことをしていましたか(子)


 まずはくぐることで這い這いをしたり、4つ足で歩いたりしながら『支える』感覚をスタートさせます。

 そして低い平均台に手をつきながら、おしりがフワッと浮いてくるぐらい『支える』感覚をつなげていきます。

 次は跳び箱を使って「跳ぶ」ではなく『支える』感覚を主題にしたデバイスです。

 しっかりと『支える』感覚が志向できた子どもたちは、鉄棒にだってのることができます。

 逆にいえば、この『支える』感覚が分からない状態で鉄棒にのることはとても怖くて、痛いことだったりします。
 まずはたいこさんが「今ひとつ『支える』感覚というのが分からない……」と投げかけてくれたので、『支える』を起点にデバイスをつくってみました。
 こんなふうに地面についていた手を少しずつ高いところへ導きながら、
『支える』感覚を増幅させていきます。

 最初はこんな感じで始まった『支える』感覚が

 やがてこんなふうにフワッとした感覚と出会い。

 自らの志向体験が楽しくなってきます。

 するとこんなふうにさかさまになった自分を支えたり

 ピンと張った自分の肘の上にからだをのせて、気持ちよ〜く側転ができてしまったりするのです。

(この頭とマットの間にできた大きなスペースを見てください。すごいでしょう!!)


 こうやってコツコツと身につけていった『支える』感覚が、いろんな運動につながってくるんですネ。


 今はこんな感じの「逆立ち」も『支える』感覚が理解できてくると、いずれビシッと肘を張った「倒立」になっていきます。

 それまではさかさまになった時の自分の上下や前後の感覚が分かるようになってくれば、またいろんな動感素材(運動感覚の素材)が身についてくるのです。

 そう考えて、あえて運動の完成形を目指さずに展開することも大事ですョ。

2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 デバイスづくりに取り組んでみて、イマヒトツだったお母さんが多かったと思いますが、まずはそれをスタートにしましょう。

 柳川郁生が始めて出会う小学生たちにまず言うことは「『できない』というのはスタートなんだよ」ということです。

 そこからいろんな偶然や、発見があって、少しずつ分かってきて運動ができるようになるんです。

 だから『できた!』=『わかった!』なんです。

 いろいろと試しながら発見をしていきましょう。

 発見をするためには観察をしましょう。

 わが子の表情を見のがさないように……お母さんだから見える子どもの気持ちがあるはずです。

 それはきっと柳川郁生には敵わないもののはずです。

 そしてそしてあきこさんのように自分で体験してみることも大事です。

 美味しいご飯をつくるためには、お母さんは美味しいお料理を食べていたほうがいいに決まってます。

 というのは柳川郁生の勝手な理論ですが、やっぱりそうだと思います。

 先日横浜の『bills』という世界一の朝食のお店に行きました。そこで食べたスクランブルエッグはとっても美味しかったです。すると最近さおりさんのつくるスクランブルエッグが‘ふわとろ’のおいしいスクランブルエッグになりました(笑)。

 お父さんはお母さんに美味しいものを食べてもらわないといけませんね。

 なんて余談になりましたが
 動感志向体験
といって、実際にその運動ができるように取りくむ体験は指導者にとって不可欠のことです。

 「こんな感じでやるとこんなふうになってしまうんだ↴」「あ!こうするといい感じ♡」「お!これがコツかも?」なんてことが分かってくると、「ね♡美味しいでしょ」って感じで運動の感覚を伝えたくなってくるのです。

 きれいな花を見つけたとき、空を真っ赤に染める夕焼けを見たとき、大きな虹が空いっぱいに広がったとき、だれかにも見せてあげたくなったりしますよね。

 自らが志向して発見した動感がすっごく気持ちよかったとき、だれかに伝えたくなっちゃうんですよね。

 ですからお母さんたち、けがをしない程度にやってみること、試してみること、すご〜く大事だと思います。

 だからただ単に運動の形を教えるのではなく、“歓び”や“幸せ”も伝えることができるようになるのだと思います。

 あきこさんたち、その側転がストンとできた時の感覚と歓びをこうこちゃんたちに伝えられたら最高ですよ〜♡
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

 子どもたちはどんどん変化していってます。

 いろんな表情を見せてくれていっています。

 「側転はわたしはできない」というともみちゃんのことばは、まさにたいこさんが言うように「側転」という運動を認知した第一歩、スタートなんですネ。

 ですからそんな小さな子どもたちの変化を見のがさないようにしながら、オフィスアワーを続けていきましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 「親子・うんどうの日」(今年から‘運動’ではなく“うんどう”になったはずです。)に向けてしばらくお休みになります。

 ちょっと残念ですが、いろんな準備をしておいてください。

 10月からはだいち組だから、たいよう組だから、ほし組だからということはお母さんたちには当てはめないで、みんなでこの時間をつくっていきたいと思っています。

 それって高度な取り組みをするってことではありません。

 愛情たっぷりの取り組みにするってことです。

 でもそれが実はとっても高度な取り組みかもしれません。

 『愛』の力で“うんどう”を展開するってことは、きっとこのこども芸大でしか実践できていないことかもしれませんから……
 楽しい時間をつくりましょう。

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