うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2012-01-17

つぶやきカルテ2011(1月12日)

つぶやきカルテ2011(1月12日)

 週末の出張でつぶやきができませんでした。
 恒例のレポート指導期間も始まってつぶやく時間がなくなりました。

 ということで隙間の時間を使ってつぶやきを綴ります。

1.どんなことをしていましたか(子)


 なんとなくここのところお母さんたちの積極的なデバイスづくりがなかったのと、
年末に跳び箱の運動に『支える』感覚をつなげる取り組みをしていたことと、
ふみこさんが『私が逆立ちをしたい!』と言ってくれたことがあり、
柳川郁生が最初のデバイスをつくりました。

 支えていって少しずつ自分のオシリを肩の上にのせる感覚を見つけてほしいと願っています。

 果たしてどうなるのかな?と想像しながら試してみました。

 そうなんです、試してみたんです。

 お母さんたちも「跳び箱は……」「鉄棒は……」「側転は……」「かけっこは……」「運動は……」という既成のやり方にとらわれないで、いろんなアプローチを試してみてください。

 そして自分の願いがうまくデバイスづくりと結び付かなかった時は、
遠慮なく相談してください。

 一緒に考えますから

 
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 最近だいち組の子どもたちは自分なりの課題に向き合って取り組む姿が目立つようになってきました。

 おそらくそれを見守るお母さんの姿が、ほし組やたいよう組のお母さんにも感じられているのではないかと思います。

 けれどもほし組やたいよう組のお母さんたちに知っておいてほしいのは、
そうなるまでのプロセスがあったということです。

 今のだいち組の子どもたちは、ぐるっとつながったコースにはじめは近づけなかったり、途中でドロップアウトしたりしながら、少しずつコースの中におかれたお母さんたちがつくったデバイスを楽しんでいると、自分の運動に変化が現れることに気づいていったのです。

 それには何カ月、何年という継続がありました。

 そしてその体験の中で自分の課題を見つけたり、その課題に向きあったりする志向性が育っていったのです。

 それがいまのだいち組の子どもたちとお母さんたちです。

 最初のスタートは、びょ〜んと跳び下りる台を置くことであったり、だ〜っと走りぬける直線であったり、くねくねっと駆けぬけるスラロームコースであったり、ひたすら這い這いするトンネルであったり、すごく単純な運動の感覚から始めていきましたね。

 ですからほし組やたいよう組のお母さんたちも、結果としての今のだいち組の取り組みにとらわれず、子どもたちが喜ぶデバイスをいくつもつなげていってぐるっとコースをつくってみることで、子どもたちの運動体験をひろげ、その中でどんなことに子どもたちの発見があるのか探ってみてください。
 まず今の段階ではひとつの課題にじっくり向き合うのではなく、何度も何度も無理なく、楽しくコースを回れるような世界をつくってあげてもいいのではないでしょうか。
 春の説明会の時に話しましたが、こども芸大の『うんどう』では『走る』『跳ぶ』『支える』『回る』(『投げる』)の5つの運動感覚を体験することで、これからの運動に必要な『動感素材』を身につけるとともに、その感覚を感じとれる『感性』を育てていきたいと考えています。

 運動における『感性』というのは運動の感覚を感じとれるということですから、
まずは単純な運動から始めて、その感覚を何度も何度もかみしめるように味わえばいいと思います。

 小さな子どもは同じ運動を何度も何度も繰り返し続けたりします。
 そばでみている大人はそれを見て「今度はこれをやったら?」と次のステップへ誘ったりします。
 でも本当はその運動の感覚をじっくりと味あわせてあげることが重要で、せっかくその味わいが伝わってきそうなところで別な味に変えてしまったりしているのです。
 指導のテクニックとしてはその味を次から次へつないでいくことで新しい味を発見させることもありますが、
このオフィスアワーではお母さんのまなざしという環境につつまれながら、じっくりゆっくりと味わうことをしていってもらいたいと思っています。

 またまたくどい話になってしまいましたが、早くも来年度につなげるためにつぶやいてみました。
 だいぶグチグチ書いてしまったので
 話題を変えて
 新しく参加してくれたゆみさんが、「子どもに何かをさせてみようと思うのではなく、子どもの動きをもっとじっくり観察してみたいと思いました。どんな動きが次のうんどうをつくりだすのか、うんどうとはどういうことなのか、興味をもちました。」とコメントしてくれました。
 すごく嬉しいコメントであり、このオフィスアワーの様子がそう見えていたのかなと思うとちょっと安心しました。

 ぜひぜひまなみさんのように主観的で愛情タップリの親バカ視線で子どもたちといっしょに“うんどう”をしていきましょう。

 そうすると子どもの笑顔が見えて、気持ちが見えて、感覚が伝わってきて、喜びが共有できるようになってきます。

3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか


 こんなだいち組の取り組みを見て

 こんなふうに跳び箱に乗っかります。
 こどもたちはここで展開する運動をしっかりと理解しはじめています。

 ここで起きていることがちゃんと見えています。

 けれどもまだ同じようにはできません。


 だからこんなふうに走ってきて跳び乗るという運動を通して、タイミングよく軽やかに自分の身体の体重を肩にのせて支える感覚を習得していきます。

 這い這いをすること、4つ足でトンネルをくぐること、高い台の上に乗っかること、

鉄棒の上につばめのように乗ることなどを通して『支える』感覚をひろげていきます。

 (前にぐるっと回って「はいできた!」ではなく、「お!しっかりと鉄棒を握って、ギュッと肘をのばして支えているな。」なんてことを見つけてあげてください。)
 するとそれが1年先、2年先につながってひとつの「運動」ができあがったりします。

 ‘だいち組になったら跳び箱ができる(跳べる)ようになる’のではなく、
それまでにどんな運動に触れておいた方がいいのかをみんなで試していきましょう。


 お母さんたちが鏡を使って子どもたちのジャンプに工夫をしようとしていました。


 すると子どもたちは視線を着地点にむけるのではなく、すっと正面にむけてのびのびとしたジャンプを見せてくれました。

 こんなちょっとした変化が楽しいですね。


 それから最後の方で子どもたちに側転を線の上でやってもらいました。


 この線を意識して手の着きをすることで『支える』感覚が増幅しているような感じがありました。

 自分の足のずっと先に手を着こうという意識が生まれて、身体全体がのびやかになった感じもありました。
 あくまでも“感じ”ですが、その“感じ”をつくったり、見つけていくことが重要であり、楽しみでもあるんですね。


 そしてその“感じ”がこの時点で始まっているのかも?なんて発見があるとすごく楽しみになります。

 見てください。

 まずは線のうえでジャンプしただけに見えますが、なつきちゃんの意識の中ではもう側転の感覚がスタートしているかもしれません。

 だから側転の練習をするのではなく、側転に(側転以外にも)必要な運動の感覚を準備しておくことが大切なんですね。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 回数は考えず、結果をあせらず、なが〜いなが〜いプロセスの通過点として次回も続けていきましょう。

 そしていろんなことを試していきましょう。

 この『うんどうのオフィスアワー』は試みの世界です。

 

 でもだいち組のみなさんは少しでも満足感をもって卒業できるといいですね。

 応援します!!

 ……つぶやき始めると長くなり、ブログアップ遅くなりました……

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