うんどう

東北芸術工科大学の柳川郁生の周りで展開する『うんどう』のブログです。
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2011-12-20

つぶやきカルテ2011(12月15日)

つぶやきカルテ2011(12月15日)

 あっという間に今年のオフィズアワーが終わりました。

 なんとなくみんなの取り組みを形にしたくて、
なんとなくみんなの愛を見えるようにしたくて、
一生懸命伝えていこうと思っていますが、
また時間が過ぎていきます。

 でも少しずつ、少しずつ場は育っていると思います。

 なんとなくなんとなく継続が流れをつくっているような気がします。

 ということで続けてつぶやきますネ。

1.どんなことをしていましたか(子)


 新しいデバイスが登場しました。

 「あれ?」って感じでどんなふうに使うのか想像させられるデバイスが登場すると、子どもたちの興味もそそられますネ。


 上を渡って跳び下りたり


 下をくぐりぬけたり
 自分で選んだ運動に取りくんでいました。


 その先には平均台とくぐりぬける輪があったので、「支える」感覚を前のデバイスの流れからつなげていってほしいというお母さんたちの願いがあった感じです。


 そしてその先のマットでは、さらにこんなふうに「支える」感覚をつなぐ子どもたちが登場し

 どんどんと自分の手のひらや肩の上に、ふわっとからだがのっかる(支える)感覚を増幅していきました。


 そしてこれも背中側から「支える」感覚づくりですネ。


 こんな取り組みが、やがて開脚跳びや逆上がり、後転や倒立などさまざまな運動の動感素材となっていきます。

 そしてそこで生まれる自分の運動感覚との向きあい『動感志向体験』というものが、すべてのうんどうの取り組みに生かされてきます。

 字が読めるようになると本が読めるようになります。

 本が読めるようになるといろんなことを知ることができます。

 いろんなことを知ると自分の世界が広がります。

 自分の世界が広がると生きていることが楽しくなります。

 そんなふうに“うんどう”も考えていってください。

 字が読めた ⇒ 頭が良くなった  ⇒ 小学校に行っても大丈夫
ではないですよね。
 
 ひとつひとつの運動の感覚を動感素材とすることで、いろんな運動と出会うことができるようになり、運動の世界が広がります。

 もちろん上手にできた方がいいのですが、そのためにはいろんな運動の感覚を感じられる感性が備わっていることが重要です。

 その“運動の感性”をさまざまなデバイスを通してお母さんたちといっしょに育んでいくのがこの「うんどうのオフィズアワー」です。

                   ……あいかわらずしつこいかな*
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)

 なおみさん、まなざしを向けていればその先に何か見えるようになります。
 そのための“まなざしカルテ”です。

 実はみんなそうなんですが、まなざしを向けてカルテを書き続けているお母さんの子どもとそうでない子どもには
“うんどう”に対する向き合い方の差が出てきています。

 たぶん気づかないでいるお母さんが多いとは思いますが、
はっきり言うと同じ運動の場にいても損をしている子どもと得をしている子どもがいます。

 その損に気づかないのが“まなざしカルテ”を書いていないお母さんです。

 いろんなことに気づけずに自己嫌悪というのは、
気づいていないことに気づいた大事な段階です。

 運動学においては、
違和感も運動感覚による最初の気づきととらえていたりもします。

 自分の不足に気づくことはとてもいいことで、
そこからわが子にまなざしを向けて共にうんどうの世界で過ごしていくと
まさに“何かが見えて”きます。

 そんな瞬間を共に過ごすことで、
子どもたちは運動感覚の発見に夢中になる心地よさを実感していきます。

 でもそこにお母さんのまなざしがないと……たんなる運動教室と同じに、
与えられた運動の結果だけしかお母さんには見えなくなったりします。

 「上手にできたね♡」って言うのはとってもいい言葉ですが、
「楽しかったね♡」と言うのと違いますよね!

                    ……分かります?

 
 でもほし組やたいよう組のお母さんたちのまなざしにも、
しっかりと子どもたちの笑顔や、好きなこと(運動)が見え始めています。

 どんな運動が好きで、どんな時キラキラした目になって、
どんなふうに夢中になって、どんな時にやる気をなくすのか、
そうやって日常のまなざしと同じように
お母さんたちは運動をしているわが子の気持ちがちゃんと見えています。

 はじめのころのまなざしとちょっと比べてみてください。

 きっと何かが見えていないと思っていても、
実は見えない何か(気持ちや意識)が見えてきているのではないでしょうか。
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか

  こつこつと運動に取り組むしのちゃんなぎくんじょうたろうくんと跳び箱の開脚跳びに取り組みました。

 ちょっと順を追って運動をしていたら跳べるようになりました。

 それは子どもたちの中にある開脚跳びに必要な動感素材を確認しながら取り組んでいっただけの事です。

 つまり子どもたちはこども芸大や日常の運動の中で、走ったり、跳んだり、支えたり、
そして自分の身体の感覚を感じとったりすることがあらかじめ準備できていたということです。

 
 そうなんです。

 この『うんどうのオフィスアワー』は、そんな運動感覚の準備をする時間と思ってください。

 這い這いをしたり、高いところへ腕の支持を使って登ったり、さかさまになってみたり、ひっくり返ったり、
さまざまな運動感覚を何度も楽しむことによってたくさんの動感素材が備わってきます。

 そう考えてまたデバイスづくりをしていきましょう。

4.次回のオフィスアワーに向けて

 新しい年になりますが、またおつきあいよろしくお願いします。

 
 わが子の考えていることを一番わかっているのはお母さんですよね。

 そのまなざしはどんなにすごい運動の専門家だってかないません。

 でもそこまで見抜いてやろうというのが、柳川郁生の挑戦です。

 だからお母さんたちから話を聞いて、
子どもたちのことをもっと知ろうと思っているのです。

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