今回は「ちょっとスパイスをきかせてみようかな」ということで、
わが子の怜眞(りょうま)を『うんどうのオフィスアワー』に連れてきてみました。
見本というわけではなく、なんとなく勢いみたいなものを感じてもらえると、
展開全体にちょっとだけ刺激みたいなものを……なんて思っていたのでした。
いろいろとお母さん方には声をかけていただきましたが、
これでも4、5日前からなんとなくやることを伝え、
前日にはデバイスの内容を伝え、当日はみんなが来る前から体育館で過ごしながら、みなさんの前での運動に備えていたのでした。
そうでないとやっぱり5歳の子どもですから、
突然みんなの前に出ると恥ずかしがって照れちゃったり、
逃げだしちゃったりするんですね。
なのでよくやってくれたので、うんとほめておきました。
お母さんたちからのコメントもちょっと伝えたら嬉しかったようで、
「ホントに?どこに書いてあるの?お手紙?」と聞いてきたのでした。
そこでお母さんたちが書いてくれた『まなざしカルテ』を実際に見ながら、
一つ一つのコメントを紹介してあげたら本当にうれしそうにしてくれました。
「……風が吹いた」「りょうませんせい」「やる気」「楽しさ」、
いろんなことばに「うん♡、うん♡」って感じで満足げでした。
……ふと考えると……、これって『まなざしカルテ』を読ませてもらっている、
柳川郁生といっしょだなと思ってしまいました。
いろんなお母さんたちから、いろんな気づきや発見のコメントをもらえると、
すごく嬉しくなっちゃうんですね♡
(たまにはその逆もあり、2、3週間ズズンと反省しているときもあります(笑))
でもこのブログもそうですが、気持ちを言葉にして伝えることも大事ですよね。
……ということでまた、つぶやきを言葉にして……
1.どんなことをしていましたか(子)
(ここはお母さんたちがデバイスにこめた“ねがい”を、共有するコーナーです♡)
今回は柳川郁生構想で展開してみました。
まずは基本の4つ足(『支える』感覚)から。
前回も登場し、子どもたちのうごきも軽快になってきました。
こういった単純なうごきを、毎回継続的にとり入れてみることも大事だと思います。
いつも違うメニューではなく、いくつかの定番メニューからの発展を考えてみると、子どもたちのペースに合わせたデバイスづくりができるようになるかもしれません。
手のひらの上にしっかりと自分の重心をかけて進めるようになると、安定したバランス感覚と手足の協応動作、そして背筋を使ったしっかりとした運動ができると思いますよ。
器用に動ける小学生たちは、この運動を楽しそうにやってくれます。
ここではさらに『支える』感覚をつないでいって、とび箱上で肩に体重を乗せてみます。
もっともっとしっかりとおしりが持ち上がって、フワッとした感覚からのきり返しができるようになると……
ともこさんが「走ってとび箱が近づくと恐怖心がまし、踏み切り板に上がることで“できない”気持ちがMAXになり全くとびこめない。」と、はるきくんの気持ちや運動に共感していましたが、そんな感覚をやわらげる方法として見つけたのがこんな方法でした。
無理なく『支えて』おしり(腰)がフワッと浮き上がるようになれば、わかこさんの言うような「身構えさせず、うっかり○○しちゃったみたいな感じで……。」なんてデバイスにすることができるということです。
そして大事なことは、動感(運動の感覚)を想像しながら運動を創造するということです。
できない気持ちに共感して、同情するのではなく、その“できない”という感覚にあえて共感して、
子どもたちの“うんどう”を誘(いざな)ってみるのです。
できない感覚をもっているということを、あえて強みにしている柳川郁生でした。
だって体操のオリンピック選手は、逆上がりが上がらない感覚が分からないんですよ。
ぐるぐるって回くるくるっとひねれる選手たちは、
あの地面をいっしょうけんめい蹴っているつもりなのに、地球の重力に吸い寄せられてしまう、
あの屈辱的な感覚を知らないんですよ。
それを知っていることは指導者としてきっと大事なことだと信じています。
あくまでもそれは同情する気持ちではなく、共感し、共鳴することができる、
共振する運動の感覚なのです。
まだ無理に開脚とびをする必要はないけれど、フワッと跳べたときのあの感覚を発見してほしいなとねがっています。
なので無理に跳び箱をしなくてもいいようにと、とび箱のデバイスと並べて『走る』デバイスをつくっておきました。
まだ跳び箱に興味がなければ、別なことでもいいよということです。
でも軽快に『走る』感覚が分かってくると、勢いよくふみきり板に走りこめるようになったりします。
すると自然とフワッと浮き上がるような感覚が発見できたりするんですね。
これだって跳び箱につながるし、からだの前後や上下の感覚を自分を零点にして知覚する大切な感覚をつくってくれます。
運動学のなかでは運動感覚の発生において自己の運動感覚の「絶対零点」が私の身体にあることを大事にします。
つまり前とか後ろ、右とか左、上とか下という感覚の原点は知覚者自身の身体のなかにあるのです。
どっちが前で、どっちが後ろ、そんな単純に思えることも、自分の身体から意識してみると、
じつはこんなデバイスの中でとても意味のある現象が展開しているのです。
そしてシンプルに……こんなふうに『支え』ながら笑顔で見つめあえるようになれば、前回りや逆上がりなどへの展開も考えられるようになってきます。
でももっと鉄棒を楽しむ方法は別にあるかもしれないし、そんなところは頭を柔らかくして子どもたちの“ねがい”をきくことも忘れないようにしましょう。
ちょっと気持ちのスウィッチが入ると、みんないい感じでしたね。
そのあとの跳び箱でこんなふうにおしりが持ち上がって
側転で上手に立てないという感覚も、こんなふうに高いところからやってあし場を低くしてあげると、だんだん立つ感覚へと変化させることができたりします。
カッコいい見本を見せましたが、見本通りにやるのが大事なのではなく、ここでフワッと下り立つ感覚を体験することが大事なんです。
ここでは高くジャンプする物理的な効果を生みだすことだけがねらいではなく、
「「徒手伸長能力」:実在の皮膚からある「隔たり」をもち、運動志向性が密度濃く漂う外縁層に始まって、果ては、はるか遠く離れた対象物にまで及ぶ広範な現象野に関わる能力」
つまり自分の手先と風船に運動感覚のつながりをつくることを“ねがい”にしたデバイスです。
それによって届かなかった鉄棒にも、離れた手から感覚をつないで、とびつく前から鉄棒にぶら下がった感覚をもつことができるようになるのです。
そんなふうに感覚をつくっていくことができるようになれば、鉄棒や跳び箱など怖いって思っていた感覚を一瞬で変化させることができたりします。
だからいろいろ工夫をして、それがうまく伝わると嬉しいんですね。
「ナスは嫌い」って決めつけていた子に、「ほらこうしたらどう?」なんて料理してみて、
「あ!おいしい♡」なんて反応してもらえたら嬉しいですよね。
そんなことです(笑)
気がついたら鉄棒に手が届いて、こんなふうにスウィングしながらの笑顔を見られれば嬉しいですよね。
この一瞬を見逃さないで立ち会えることが、指導者たちの生きがいなんです。
はあ~(@_@)今回は自分でつくったデバイスだったのでつぶやきすぎました。
2.どんなこと(関わり)をしていましたか(母)
(ここは柳川郁生が発見したお母さんたちのスゴイところを、ほめる(すごいね!と感心する☆)コーナーです♡)
ようこさんは、イヤーな口出しをして反省なんて書いていましたが
けいすけくんの視線の先にはなにが見えているのかなんてことを
気づけるようになっているのではないでしょうか。
そんな“まなざし”がカルテのなかには書かれていますよ♡
「なにが見えているのかな?」なんて視点から子どもたちの“ねがい”を探ってみると面白そうですね。
ゆみこさんも“ため”なんていうこどもの感覚的な様子を読みとれるようになっているし、
まさえさんも“跳び乗るイメージができた”なんていう子どもの意識の中の様子を読みとっているような
そんなコメントが書かれています。
こんな気づきをしてくれるお母さんたちのコメントもとてもいいですね♡
そしてかよさんは、なかなかデバイスづくりのイメージが浮かばずに悩んでいるようですが、
まずはわが子がどんな運動を一番好きなのかを探ってみてください。
何回やったかという物理的(客観的)な探り方もありますが、
いちばんの笑顔が出た瞬間はどこだったのかなんていう直感的(主観的)な探り方をしてみてください。
なにができない、なにができたというような結果は後においといて、
わが子がいちばん楽しみにしてくれるメニューを想像してみれば、
少しずつ見つかってくるかもしれませんよ☆
3.運動面において気づいたこと、変化はありましたか
(ここは自画自賛。子どもたちの発見をほめるコーナーです♡)
どうだったのでしょう。
ちょっとした冒険心のような意欲が少し生まれてくれればいいかなと思っています。
どうだったかということは、これからの展開の様子に現れてくるのでしょうね。
4.次回のオフィスアワーに向けて
(ここはお母さんたちに次回もよろしくとお願いするコーナーです♡)
だからといっていつもと変わらずというか、今回ちょっと違う展開にしてしまったので、またいつもに戻してのんびりできたらいいなと思っています。
そして最近幸せに思うこと……
それはお母さんと子どもたちが、なんとなく余韻を味わうようにすぐに帰らないこと♡
大学の授業でも、興味や満足感をもった学生は授業の後でなんとなく帰りそびれたりします。
そしてそんな学生に声をかけられると教員も嬉しくて、また話し込んでしまうのです。
そんな時間が教員にとってなによりも嬉しい時間だったりします。
「終わった、終わった~」なんて感じでさっさと学生たちが教室からいなくなってしまうと、
なんとも寂しいもんですよ(ToT)/~~~やっぱり授業が楽しくなかったんだ~なんて思ってしまいます。
ですから、さっさと帰る気分じゃないときは遠慮しないで余韻を楽しんでいってください。
学生たちがサークルに集まってくる18時くらいまでは大丈夫ですよ(^_-)-☆
……またまたこんな長ブログになってしまいました。
最後まで読んでいただけると嬉しいです<m(__)m>
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